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知ってた?これがホントのノルウェー人
大使館一等書記官がお教えします!

 「ノルウェー」と聞いても、ピンとくる人が少ないかもしれません。連想するのは「ヴァイキング」「フィヨルド」「ノーベル平和賞」、そして「叫び」で知られる「ムンク」くらいでしょうか。そういえば、村上春樹のヒット作品に「ノルウェイの森」もありましたっけ。
 同じ北欧でも、デザインで注目されるフィンランドやスウェーデンと比べ、正直、地味なイメージです。国土は南北に長く、北部は北極圏。日本とほぼ同じ広さに約530万人が暮らしています。欧州連合(EU)にも加入せず、孤高を保っているようにも思えます。
 しかし、北海油田、天然ガスなどの天然資源に恵まれ、国民1人当たりの所得は世界でも常にトップレベルで、スポーツも盛ん。冬季五輪ではノルウェーのメダルラッシュが連日のように報道されます。そんな豊かな国に暮らす人たちとは? 2016年に駐日ノルウェー大使館の一等書記官として来日したトーネ・ヘレーネ・オールヴィークさんに聞きました。

1

帰宅ラッシュは午後3時から始まります

 ノルウェーでは一般的に朝早い時間から働き始めます。8時から仕事というのが普通なんです。フレックスタイム制度を導入している職場が多く、朝7時から働いている人もいます。大使館では、オスロの外務省とのテレビ電話会議の際は時差の関係で向こうが朝8~9時、こちらが夕方の4~5時に行う場合が多いですね。
 働き始めるのが早いので、帰宅も日本などに比べると早くなります。ノルウェーでは子供が保育園や小学校に通っていても、フルタイムで共働きのケースが多いので、片方の親が早く家を出て、もう一方の親が遅く出て子供を学校に送り、そして早く出た方が子供をピックアップして帰宅します。
 子供は、保育園に朝8時から遅くても4時半までしかいられないので、どうしてもその時間に親が迎えに行かなくてはならないのです。ですから、午後3時から5時の間に帰宅ラッシュがピークになるのです。

Sophie Stevens / Visitnorway.com

2

「労働時間なんて気にしない」その理由とは?

Benjamin A. Ward / Visitnorway.com
 フレックスタイムですから、一般的に9時から3時のコアタイム以外には、決められている就労時間を守れば会社に何時間いなくてはならないということはありません。ノルウェーでは多くの場合、働いている人にノートパソコンが支給されています。先ほどの子供の送り迎えをしている共働きカップルのような場合も、午後早い時間に会社を出て、子供を迎えに行った親がパソコンを持ち帰り、自宅で仕事を続けることもあります。
 日本では職場に上司が残っていると、部下は帰りづらいということをよく聞くのですが、そういうことはノルウェーにはありません。ノルウェーでの仕事は結果主義。結果が出なければ長時間働いていても評価されないのが一般的です。
 それどころか、夜遅くまで長時間働いていると、さぞかし大きな成果が上がるのだろうと周囲に思われるだけ。期待されている成果を上げているのであれば、働いている時間の長短が問われることはありません。ノルウェーでは、ボスが部下の細々とした管理を行うマイクロマネジメントの慣行がなく、基本的に、結果を待っているだけなので、日本ほど働く時間の長さを気にしないのだと思います。
 実際、残業は推奨されておらず、いいことだとも思われていません。しかし、一方で残業はするなと言われながら、結果を残すことも求められるので、その点ではプレッシャーになっているかもしれませんね。ノルウェーでは遅くまで仕事をしていると「至急案件でないのなら明日できることは、明日やりなさい」と言われるんです。

Asgeir Helgestad / Visitnorway.com

3

昼休みは「パンを2〜3切れ」でおしまい

Christian Roth Christensen / Visitnorway.com

 昼休み文化というのは日本と全く違います。昼休みに費やすのは20分。長くても30分です。ノルウェーの公的機関で、日本のように昼休みを1時間取るということになると少し問題になります。
 ですから、ランチも日本とはずいぶん違います。私たちにとっては、日本のランチは豪華です。私たちの一般的なランチは家からパンを2、3切れ持ってきて、それでチーズなどを挟んで食べるといった軽いものです。それをオフィスの机で黙々と食べて仕事に戻ります。
 その代わり、家に早く帰って家族と夕食をゆっくり取ることを大切にしているように思います。外食をすることはほとんどありません。外食費が非常に高いということもあるのかもしれません。ちょっとしたディナーですと、外食すると一皿3000円前後しますから。駐日大使館からオスロに出張する日本人の同僚も、食事はスーパーなどから食糧を調達するか、外食しても比較的安価なエスニック系のレストランでさっと済ませてしまうことも多いと言っていました。

Thomas Rasmus Skaug / Visitnorway.com

4

平日に酒を飲まないのは「○○だから」

Martin Håndlykken / Visitnorway.com

 平日の夕食時にビールやワインといったお酒もあまり飲みません。お酒は平日に飲まず、週末に飲むものというイメージがあります。以前はワインなども飲まなかったのですが、近年はフランスやイタリアなどの影響を受けて、食卓でワインを飲む機会も増えてきています。
 また、ノルウェーでは酒類の管理が厳しく、ワインやスピリッツなど、アルコール度数の高いものは政府直営のリカーショップ「ヴィン・モノポーレ」でしか購入できません。そこはだいたい午後4時から6時までに閉まってしまいます。日曜日は閉店しています。ビールは一般のスーパーなどで買えますが、夜8時を過ぎると買えなくなります。
 それに比べると、日本はいつでもどこでもお酒が買えて、しかも安い。東南アジアの人に聞いても、私たちと同じように感じているようです。日本人はお酒を飲んでも、それほど大変なことにならないので、飲酒に対して寛容なのかもしれません。
 ところが、ノルウェーでは酔っぱらうと、振る舞いが良くなくなる人が日本に比べて多い。それが、お酒の管理に厳しいことの理由のひとつなのかもしれません。

Terje Rakke/Nordic Life AS - Visitnorway.com

5

若者に流行した「スヌース」って?

 近年、公共の場やレストランでの禁煙が厳しくなったこともあり、若者の間で「スヌース」というかぎたばこがポピュラーになっています。たばこの葉を包んだ小さな袋を口に含み、唇の裏と歯茎の間に挟んで使用します。火を使わず、灰や煙もでません。伝統的なたばこで、私の中では「おじいちゃんの嗜好品」というイメージがあったのですが、それがしばらく外国に赴任していて帰国すると、若者を中心にとても流行していて驚きました。
 以前は、女性向けにキャンディーボックスのようなキュートなパッケージに入った商品が売られていたのですが、あまりにも流行しすぎて、そうしたパッケージは規制され、今は地味な緑のケースに入って売られるようになりました。

Terje Rakke/Nordic Life AS - Visitnorway.com

トーネ・ヘレーネ・オールヴィークさん
(ノルウェー大使館一等書記官)

2005年、オスロ大学中国学・人文地理学修士課程修了。同大講師、駐中国ノルウェー大使館二等書記官、ノルウェー外務省東アジア・オセアニア課アドバイザーなどを経て、現職。東京で暮らす1児の母親。

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