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知ってた?これがホントのキューバ人
特命全権大使がお教えします!

 約1600島からなるカリブ海の国、キューバ。社会主義国ですが、資本主義国でも愛される高級な葉巻やラム酒の名産地として知られ、世界各地からの観光客が急増しています。スポーツ大国で、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の奏でる音楽も人気です。昨年は、日本人がキューバに移民して120年。そして今年は、フィデル・カストロ氏率いるゲリラ部隊が親米政権を倒したキューバ革命から60年になります。革命後に生まれた世代が政権を担い、キューバは歴史的な節目を迎えています。そんなキューバで暮らす人たちの日常について、カルロス・ミゲル・ペレイラ・エルナンデス大使に尋ねました。

1

就活なし!学費もなし!

 大学卒業後、2年間は政府の決めたところで働きます。サービス業、農業、貿易業、製造業、公益事業など、様々な分野があります。したがって、日本のように就職活動はなく、職を確実に得ることができます。職業選択の自由がなく、国から強制されて働く徴用のようなイメージで捉えられることもありますが、真意は反対。働く権利を保障することが目的です。働く人の希望だって、ある程度は配慮をします。最初の1年間で能力が認められれば、その時点で正規の職員として採用されることもありますし、2年たったあとは、他の仕事を選んでもいい。
 競争のない平和な国を目指しているので学費は無料。私のように外交官になるためには、国際関係を大学で学べば、就職先としてアサインされる確率が高まります。最終的には採用試験もあります。また、スポーツの才能があれば、中学から専門の学校に行くこともできるのです。
 自営業も認められていますが、自治体などからライセンスを得ることが必要です。税金も納めなくてはなりません。

2

キューバ葉巻、実はJFKもお気に入り

 葉巻はキューバにとって砂糖と並ぶ主要な輸出品。キューバではどこでも気軽に葉巻を楽しめるように思われがちですが、2005年に禁煙法が施行され、公共機関やオフィス、そして交通機関などで喫煙することはできません。
 葉巻には、紙巻きたばこと全く異なる文化があります。葉巻は時間をかけ、知人との会話を楽しみながら、「嗜(たしな)む」もの。ですから、「歩きたばこ」はあっても「歩き葉巻」はありえません。また、葉巻は煙を肺に吸い込まず、香りを楽しむ嗜好(しこう)品です。私自身、紙巻きたばこは吸いませんが、葉巻は大好きで、執務室にはシガーケースも置いています。
 実際、キューバ産の葉巻は世界中の愛煙家の垂涎(すいぜん)の的で、米国のケネディ大統領がキューバに対して経済封鎖を発令する前、大好きだったキューバ産の葉巻を大量に買い込んだという逸話もあるほど。葉巻用の葉の栽培に適した土壌や天候に恵まれているため、優れた葉巻を生産できるのだと思います。

3

キューバだって「民泊ブーム」

 スペイン語で「カサ・パルティクラール(個人の家)」と呼ばれている民泊施設は現在、5万軒ほどあり、ホテルに滞在するよりポピュラーな宿泊方法になっているかもしれません。自宅などの余っている部屋を貸し出す政府公認の施設です。青い碇(いかり)のマークがあれば公認されている証拠で、安心して泊まれます。
 2015年に米国と国交を回復して、米国から観光客が大挙して訪れるようになってホテルが不足し、それを受け入れるために民泊が急増しました。
 宿泊代も一般的なホテルの半額程度のところが多く、日本から訪れる観光客も民泊を選ぶ人が増えています。スマホの空き部屋検索アプリを利用して探すケースが多いようです。
 部屋を貸し出しているオーナーと交流でき、家族的な雰囲気を味わえるのも民泊の魅力。食事などを出してくれる民泊もあり、オーナー家族と一緒に食事をとりながら、お互い片言の英語でコミュニケーションするのも旅の思い出になるはずです。

4

大みそか24時、もし道を歩いたら…

 キューバには様々な年越しの風習があります。日本と同じなのは、大みそかに大掃除する家が多いということ。
 一方、キューバ独特なのが、年が変わる瞬間に家の前に水をまくこと。今年の悪いことを捨て去り、新年を迎えるという意味合いがあります。一戸建ての家だけでなく、マンションでもバルコニーから水をまきます。ですから、年越しの瞬間にぼんやり外を歩いていると、水を浴びせられてしまうことも……。
 それから、近所の人たちが集まって年越しの瞬間に古い人形を燃やすという風習も残っています。これも新年を前に、悪いものを捨てるという意味があります。
 また、予定していた旅行に行けなかった人が、年越しの瞬間に空のスーツケースを持って家の周囲を歩いて戻ってくるという風習もあります。これは、うまくいかなかったことをご破算にして、新年こそ、よい年にしようという思いを込めたものです。ユーモア好きの人が多いキューバらしいでしょう!

5

モヒート飲んで、気分はヘミングウェー!

 キューバの国民的なお酒と言えば、やはりラム酒。糖蜜やサトウキビを原料にした蒸留酒で、5年以上熟成させたものはストレートやロックで飲むことが多い。若いものはカクテルのベースに使うことが多いようです。
 日本でも材料や蒸留方法を吟味した高級なプレミアム・ラムが注目を集め、特に7年間熟成させたものが人気です。
 キューバのラム酒を語る上で、文豪ヘミングウェーの存在は欠かせません。彼が創作のため滞在したキューバで愛飲したラムベースのカクテル、モヒートやダイキリなどは今も世界中で愛されています。特に日本では、ラム酒にライムジュースと砂糖を加え、ミントの葉で香りを添えたモヒートはブームと言ってもいいほど。
 キューバでは、ラム酒の栓を開け、グラスに注ぐ前、ラム酒を数滴床に垂らします。これは美酒をもたらしてくれた神に感謝するための風習で、キューバ人なら必ずと言っていいほどやります。皆さんもバーでやれば、一目置かれるかも!

カルロス・ミゲル・ペレイラ・エルナンデスさん
(駐日キューバ大使)

1966年生まれ。ラウル・ガルシア国際関係高等研究所を経て、90年に外務省入省。91年以降、北京語学文化大、北京大に留学。2006~11年、駐中国大使などを経て、16年12月から現職。子供3人。

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