HINTS課題解決のヒント

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2026.06.19

アプリの設計とコミュニケーション戦略でYBSに貢献 課題から逆算して紐解く、タッチポイントと体験価値【コンソーシアムパートナーズ①】

読売新聞の信頼性を基盤に、読売グループの機能と知見を活用し、企業や社会の課題解決に取り組むYOMIURI BRAND STUDIO(以下、YBS)。その大きな特徴は、さまざまな得意分野を持つ12社とコンソーシアムを組み、各社のクリエイティブ力を掛け合わせた統合型マーケティングで、あらゆるクライアントのニーズに対応できるところです。

今回はそのコンソーシアム企業の一つである株式会社アイリッジと株式会社Qoilのお二人に話をお聞きしました。

株式会社アイリッジ ビジネスプロデュース本部 プラットフォームビジネス推進室 室長 兼 プロデュース部 小野剛史さん
株式会社Qoil 事業本部副本部長 木ノ根孝行さん

アプリの企画・開発・運用からコミュニケーション戦略までを一気通貫で

――御社の主たる事業領域と得意な分野について教えてください

木ノ根氏 アイリッジは、企業の顧客接点となるアプリの企画・開発・運用を起点に、OMO やCRM、グロース支援まで、デジタル接点を活用した課題解決を支援しています。
私が在籍するQoilはセールスプロモーションからコミュニケーション領域を担当している会社で、2018 年にアイリッジグループに参画しました。
当初はQoilが手がける広告業務とアイリッジが手がけるアプリ開発業務は分断された役割でしたが、小野さんが所属しているプロデュース部の仕事と私たちの仕事との親和性がとても高かったため、現在は統合マーケティングの仕事を一緒に行うようになっています。

――グループで連携しているからこそ発揮できる、同業他社と比較した際の強みはどこにありますか?

木ノ根氏 広告だけ扱う、アプリだけ扱う、という会社はたくさんありますが、コミュニケーション戦略やプロモーションができるだけでなく、アプリの開発からグロースマーケティングまでの幅広い領域を一気通貫で提供できる点を特徴としている会社はかなり少ないのではないかと感じています。アイリッジという一つのグループの中で、戦略からグロースまでできること自体に付加価値があるため、これはグループとして伝えていきたいところだと思っています。

小野氏 アイリッジは「アプリを開発し、それを中心としたコミュニケーション戦略」に特徴的な強みを持っており、かたやQoilは「顧客とのタッチポイントを意識した幅広いコミュニケーション領域のなかで一気通貫で戦略立案と実装までができる」ことが強みです。そして、この二社がアイリッジグループとして合わさると、先ほど木ノ根がお話しした“トータル力”になり、アイリッジグループとしても、今後さらに強みを発揮していきたい領域の一つだと考えています。両社ともYBSに参画していくことで、YBSの企図する統合マーケティングがより加速するのではと考えています。

アイリッジグループでは、アプリをはじめとするデジタル接点の開発・運用に加え、Qoilのコミュニケーション設計力を掛け合わせることで、企業の課題発見から体験設計、実装、グロースまでを一気通貫で支援できる体制を強化しています。こうした体制を通じて、YBSの企図する統合マーケティングにもより貢献できるのではと考えています。

木ノ根氏 さらにQoilの強みを申し上げると、企画力のあるプランナーが複数在籍している点があります。顧客が作りたいものが決まっているところからスタートする一般的なケースでは、「いくらでできますか?納期はいつですか?」という制作領域でのコストやスケジュールの競争になることが多いわけですが、私たちはプランナーが顧客の課題を聞き取って一から企画・制作するケースが多いため、「コミュニケーションにおける問題はここで、それを解決するためにはこういったアプローチが必要です」というように顧客にとってのユーザーのコミュニケーション全体を見通した幅広い提案をすることができます。

近年では企業のコーポレートブランディングや営業支援といったBtoBの案件にも多く携わっているのですが、それはわたしたちが扱っているコミュニケーションのコアスキルが、“人の気持ちや認識を変えるために、何をどうやって伝えるのか?を導き出すところにある”からだと思っています。今までやってきた仕事の方向性を BtoC か BtoB に置き換えただけであって、やっていることはほとんど変わらない、という認識です。

――その点では、「ヨミダススクール」での取り組みもBtoBの事例の一つですね。

小野氏 そうですね。読売新聞さんから、小・中・高校向けの新聞記事データベース「ヨミダススクール」のセールスを強化していきたいタイミングで、PR動画とキービジュアル制作の依頼をいただきました。そこでQoilのプランナーが内容を咀嚼し、ターゲットごとにメッセージを変えてそれぞれ動画を制作するべきではないかと提案させていただきました。ただ「動画を作ります」ではなく「なぜその動画が必要なのか?」というところから分解してアウトプットしていくのはQoilの強みだと思います。

木ノ根氏 顧客の課題を聞き取り、その課題を解決するためにはどこで何を伝えればいいのかを最初に考えます。リアルとの相性が良ければイベントをやりますし、デジタルの方が良いと判断すればSNSで展開していきます。店頭でも映像でも何でもできるからこそ、メディアをフラットに考えることができるのはわたしたちの特徴の一つです。そういう意味で言えば、領域が広いからこそコンソーシアムとして「読売新聞×〇〇」の最適な掛け算が模索できるのではと思っています。

読売らしさ、に楽しさや温かみを足したアイデアの発案

――YBSとの協業で作り上げた「おかえり新聞」の事例について教えてください。

小野氏 弊社がYBSと協業した案件が「おかえり新聞」です。「社会課題とその解決策」をテーマにしつつ、クライアントの企業姿勢を体現するような企画を提案して欲しいというのがお題でした。読売新聞さんとまずアイデアフラッシュから始め、「個食や孤食」、「栄養失調」という社会課題をフィーチャーすることになりました。 「おかえり新聞」というアウトプットに落ち着いた理由としては、様々な理由から、どうしても孤食を避けられなくなっている社会環境においては、「孤食=悪いこと」と捉えずに、「一人で食べている人でも体験できる“新しい団らんの形”があるのではないか」「一人だからこそ楽しめる食事ってあるよね」という発想に切り変えた点があります。その際に、新聞で気持ちを伝えるだけではなく、そこに動画メッセージなどデジタルも用いることで、“心理的な共食“や食事の楽しさ・温かさを演出できるのではないかという視点の置き換えがプランナーの中にはありました。

――“読売新聞らしい”企画の立案について苦慮した点や工夫したポイントはありますか?

小野氏 新聞をどう使うのか、どんな役割を負わせるのかを考えましたし、新聞を手にしたときの温かみをどう生かすのが良いのかというのは、プランナーチームと会話するうえで頭を悩ませたところでもありました。そこで、プランナー同士で最後の最後までブラッシュアップして出てきたものが、スマホで家族新聞を作るというジェネレーターのアイデアです。 

 個人的に最後までこだわったのは、デジタルと組み合わせながらも新聞らしさをどう表現していくかという部分でした。新聞広告だけでは届かない人たちにも「やっぱり新聞っていいな」と思えるようなかたちが「おかえり新聞」というシンプルな答えではありましたが、最終的に新聞のアイデアに落ち着いたのは「読売=新聞」という強いイメージがかなり影響していた気もします。

関連記事:味の素が発信する新しい形の「共食」とは。「おかえり新聞」「おかえり新聞ジェネレーター」による広告施策を実施

質感ある体験こそが、人の心を動かすカギになる

――今後YBSと協業する中で、やってみたいことはありますか?

木ノ根氏 読売新聞さんが持つ多彩なチャネルを組み合わせることで、これまでになかったユーザー体験を生み出すというのは、制作サイドとしてはチャレンジしがいのある仕事ですね。本当に数多くのさまざまなリソースがある新聞社だと思いますので。

小野氏 アイリッジとQoilが一緒になり、読売グループのリソースを最大限に生かしたコミュニケーションプランニングということをやはりやっていきたいですね。たとえばスポーツ、メディア、イベントなどのアセットを単体で提案するだけでは、クライアントの課題と十分に接続しきれない場合もあります。提案の初期段階からご相談いただくことで、課題解決に必要なタッチポイントや体験設計から一緒に考えられると感じています。課題解決のためのタッチポイントを策定していく中で、有効なリソースの使い方をともに考える、そういう連携の方法をもっと増やしていきたいですね。

読売新聞YBS担当者(右端)と連携して課題解決に取り組んでいる

木ノ根氏 ユーザー(または顧客)の記憶に残ったり、気持ちが動くかどうかは、広告の接触だけではなく、それらを通したリアルな体験が重要なんですよね。デジタルが当たり前に普及したことで、手書きのお手紙が再評価されてるように、デジタルアプローチが進んできたからこそ一周回ってリアルな手触りが大切になっているんだと思います。単純にCMや新聞で情報を届けるだけではなく、それらに触れることによって起こり得る一連の流れやストーリー設計することが重要だと考えていますので、そういった部分から参加させていただけると僕たちも嬉しいです。

小野氏 とはいえ、統合マーケティングの仕事に限らず、アイリッジの一丁目一番地であるアプリの仕事だけでもぜひ協業していきたいですし、Qoilでいえば展示会や店頭什器などご提案可能です。今後も、YBSとの関係性を一層育み、それぞれの顧客に対して企業の課題解決に資する提供価値を広げていきたいですね。