特別養子縁組制度とは?
さまざまな事情により、生みの親が育てることができない子どもたちがいます。親を必要としている子どもを家族として家庭に迎え、自分の子どもとして育てる制度を「特別養子縁組制度」といいます。子どもが生涯にわたり、安定した家庭生活を送るための制度です。

さまざまな事情により、生みの親が育てることができない子どもたちがいます。親を必要としている子どもを家族として家庭に迎え、自分の子どもとして育てる制度を「特別養子縁組制度」といいます。子どもが生涯にわたり、安定した家庭生活を送るための制度です。
法的な親子関係を成立させる制度。
生みの親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度(児童相談所の委託に基づく)。里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権を持つ。
養子縁組制度 | 里親 | ||
---|---|---|---|
特別養子縁組 | 普通養子縁組 | ||
戸籍の表記 | 長男(長女) | 養子(養女) | ー |
子どもの年齢 | 原則として6歳未満(令和2年4月1日より原則として15歳未満に引き上げ) | 制限なし(ただし、育ての親より年下であること) | 原則として18歳まで(必要な場合は20歳まで) |
育ての親の年齢 | 原則として25歳以上の夫婦(ただし、一方が25歳以上であれば、一方は20歳以上で良い) | 20歳以上 | 制限なし |
縁組の成立 | 家庭裁判所が決定 | 育ての親と子どもの親権者 (子どもが15歳以上のときは子ども本人) の合意 |
児童相談所からの委託 |
関係の解消(離縁) | 原則として認められない | 認められる | 自立するか生みの親の元に戻る |
「特別養子縁組」の成立には、以下のような要件を満たした上で、父母による養子となるお子さんの監護が著しく困難又は不適当であること等の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると家庭裁判所に認められる必要があります。
「夫と二人で初めて息子と対面したとき、思わず『やっと会えたね』と声をかけていました。生まれてまだ5日目です。事前に『ミルクを飲むのがへたなので、コツをレクチャーします』と伝えられ、当初の約束の時間より30分早く行って、看護師さんからいろいろ教えていただきました。それで実際にミルクをあげたのですが、息子はすんなりと飲んでくれたのです。ごくごくと。それを見たら、『待っててくれたんだな』と。すごくうれしかったですね。
それで家に連れて帰ったのですが、もう心配で心配で。外の空気にふれさせて大丈夫なのだろうか、不審な人が近づいてこないだろうかと、とても気をつかいました」
元宝塚歌劇団月組トップスターで女優の瀬奈じゅんさんが、特別養子縁組で息子さんを授かったのは、2017年夏のこと。ダンサーである夫の千田真司さんと息子さんと、3人がひとつの家族になった瞬間を瀬奈さんはこう振り返った。
38歳で結婚し、舞台の仕事がひと段落した2年後、瀬奈さんは「妊活」を始める。半年の間で2回、体外受精を試みたが、結果は出ず、夫の千田さんから、「特別養子縁組制度という方法もあるんじゃないかな」と提案された。
「すぐには受け入れられませんでしたね。むしろ、『あなたの子どもがほしいから頑張っているのに』と思いました。私の記憶では、心のなかで思っただけなのですが、あとで夫に聞くと実際に言葉にして口にしていたそうです。当時は、卵子の成長をコントロールするホルモン治療の影響で、心も体もぼろぼろで、記憶がほとんど残っていないぐらい切羽詰まっていました」
子どもを産むことにこだわっていた瀬奈さんが特別養子縁組制度に目を向けるきっかけになったのは、親しい友人の妊娠だった。
「彼女も妊活をしていたので、心の底から喜ぶことができたのですが、一方で、このまま治療を続けていると、この先、同じようなことが起きたときに、同じように喜ぶことができなくなるのではないかと、不安と恐怖を感じたのです。同時に、自分は子どもを産みたいけれど、それ以上に家族がほしい、家族になるのに血のつながりは関係ないと思うようになったのです」
特別養子縁組を申し込むと伝えたときの周囲の反応は好意的だった。大病から九死に一生を得た瀬奈さんの母親は、「(新しく家族になる)その子を育てるために生かされた」と喜んだという。
特別養子縁組制度のことを自分でいろいろ調べ、あっせん機関が主催するセミナーに千田さんと一緒に参加するなどして、理解を深めていく。
「調べていくうちに、事情があって親が育てることができない、『社会的養護』が必要な子どもが、この国に約4万5000人いて、その8割以上が乳児院や児童養護施設で育てられていることを知り、とても心が痛みました。
そうした子どもたちは、生みの親と別れるときと乳児院から児童養護施設に移るときの2度、つらい別れを経験することになります。そうした経験をさせないためには、もっと特別養子縁組制度のことを知ってもらうことが大事だと強く感じました」
2歳半を迎え、小さな反抗期を迎えた息子さんは、「食べるのいや」「遊ぶのいや」となんでも「いや」と言う一方で、突然、「ママ、かわいいね」と言ったりして、夫婦を喜ばせてくれるそうだ。
瀬奈さんは、こう呼びかける。
「親になる覚悟、育てる覚悟は、実際に血のつながりがある、ないにかかわらず同じだと思うのです。大事な命をあずかり、育てていくという使命を真摯(しんし)に受け止めていただければ、受け入れのハードルは低くなるのではないでしょうか。
踏み込む勇気以上に、正しい知識を持つことが大事だと思います。こういう、ひとつの家族の形があることを、ひとりでも多くの人に知っていただきたいですね」
特別養子縁組を仲介する機関として、行政機関である児童相談所のほか、民間のあっせん機関(医療機関を含む)があります。現在、都道府県等の許可を受け活動している民間の事業者は全国に21団体(令和元年10月1日現在)あり、生みの親と暮らせない子どもと育ての親になりたい夫婦をマッチングし、様々なサポートを行っています。養子縁組の条件や審査内容は団体によって異なるので、説明会に参加するなどして自分たちの考えにあった団体を選ぶことが大切です。
問い合わせ方法 … 電話・メール(mori-ansan★mori-hosp.jp)
「子どもの幸せのために」を第一に考えて特別養子縁組を行っています。産婦人科病院として、望まない妊娠や子どもを育てていくことができない方へは、妊娠期~分娩~産後と関わりながらご本人の考えに寄り添い、その中で特別養子縁組を選択された場合は、実母のご家族も含めた支援を行っています。養親希望の方には、不妊治療等今までのご苦労を受け止め支援しています。マッチング成立後は当院において2泊3日の「教育入院」を行い、ご自宅に戻られたあとも安心して育児が行えるように地域の保健師さんと連携を図っています。
問い合わせ方法 … 電話・メール(kangobu3★mswh.or.jp)
子どもの福祉を一番に考えています。予期せぬ妊娠をした女性に対し、出産後も定期的に連絡し、ご本人の家族ともどもメンタルケアを行っています。また養親希望者には児童相談所に養親登録していただき、ご夫婦と面談を重ねます。そうしてお互いの子育てへの考えや思いを十分に話しあい、子どもを迎えるまでに足並みをできるだけ揃えられるようにする時間を大切にしています。依託が決まったあとはご夫婦で当院に2泊3日の教育入院をし、依託後は定期的に育児状況を連絡してもらうほか、当院主催の養親交流会に参加してもらっています。
問い合わせ方法 … HPの問い合わせ欄・メール(info★babypocket.net)
当会にやってくる女性たちのなかには、地元では暮らせないいくつもの問題を抱えていたり、劣悪な環境で生活をしてきた人たちが多くいらっしゃいます。当会では独自に3か所にシェルターを所有しており、利用を希望する場合はその最終意思を尊重し、希望を叶えられるように努めます。一番大切にしているのは、弱い立場に立たされている妊婦の健康、そして小さな命を守るためにできる限りの支援を提供し、その女性が安心できる状況になれるように見守り支えることです。
問い合わせ方法 … 電話・メール(kibou★anshin-hahatoko.jp)
時には未成年者を長期に産院で保護し、出産、産後までフォローします。そのため実母の心の変化もつかみやすく、適切に対応できます。実母退院の後は養親の教育入院を行います。子を手放す実母の苦悩、養子を託された養親の戸惑いに対応するには、妊娠中からの産婦人科の関わりは不可欠です。20以上の産婦人科施設で連携し、妊娠して悩む特定妊婦に対応し、適応があれば特別養子縁組も進める「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」を6年前に立ち上げ、赤ちゃんと実母、養父母家族の人生を守るために支援を続けています。
問い合わせ方法 … 産みの親の方:電話(フリーダイヤル)・HPの問い合わせ欄・LINE / 育て親希望の方:HPの問い合わせ欄
予期しなかった妊娠、出産、子育てに悩む方の相談に応じ、必要な場合には特別養子縁組により、子どもを育て親の方に託すための支援を行っています。この縁組は子どもの幸せを願う気持ちに添うものであり、子どもを育て親に託したあとも、子どもへ手紙を送るなどのサポートもしています。子どもを迎えたいと思う方にはまず説明会にご参加のうえ、当会で子どもを迎えた育て親のご家族に直接会って、実際の子育てのようすなどを聞いていただきます。子どもを迎えたあとも、各地域で育て親同士、子ども同士での交流活動が行われています。
問い合わせ方法 … メール(acjapan1★gmail.com)
思いがけず妊娠したけれど育てるのが難しい、保険証が切れている、中学生の娘が妊娠したけどお産できる病院が見つけられない——予期せぬ妊娠が発覚した時、相談のきっかけは色々だと思います。当会は2009年より産科医、助産師、精神科医、弁護士、福祉の技能団体と密に連携・協働して安全なお産ができるよう導き、多方面から支援を受けながらひとつひとつのケースに取り組んでいます。養親希望者の皆さんへの研修は、マタニティクリニック内でのパパママクラスをはじめとした、子育ての実践に即生かせるような内容を心がけています。
問い合わせ方法 … 電話・メール・来所(要事前予約)
1人でも多くの子どもに家庭で育つ機会を提供することができるよう、養子縁組を支援しています。養子が出自を知ることができるよう、ルーツ探しを支援することにも力を入れています。養親候補者の方には養子のルーツ探しのよき理解者・支援者になってもらえるよう、養子に迎えた子どもたちのライフストーリーワークに関する研修にも取り組んでいただきます。
問い合わせ方法 … HPの問い合わせ欄
特別養子縁組の支援では、生まれてきた赤ちゃんを託す「育ての親」への、迎える前から後までの一貫したサポートが大切です。長年子育て支援のプロとしてたくさんの親子に寄り添ってきたフローレンスでは、充実した研修と相談員のサポートで子どもを迎えた後の生活をイメージしながら準備できるよう支援していきます。子どもを迎えた後も子育て相談に乗ったり、養親同士の交流会を開催するなど、長いお付き合いの中で家族を支えています。
日本全国から参加できるよう最初の研修はWebでの受講も可能です。ぜひアクセスしてみてください。
問い合わせ方法 … HPの養親希望者向けメールフォーム
まずはちょっと話を聞いてみたいという方は、ぜひオンライン面談やアダプションカフェへいらしてください。養親登録希望の方へは法定研修や個別アドバイスを行い、お子さんが16歳になるまでアフターフォローいたします。思いがけない妊娠に悩んでいる女性に寄り添いつつ、家庭が必要な子どもたちのために迅速かつ的確な支援の提供を目指し、医療・福祉・心理の国家資格をもつケースワーカー達を含むスタッフ17人で皆様をお手伝いいたします。140組のベアーズ(養子縁組家庭)も一緒に、お会いできるのを楽しみにしています!
問い合わせ方法 … 電話・HPの問い合わせ欄・メール(soudan★jiinno-lc.com)
予期しない妊娠に悩み、出産しても我が子を育てることができない女性に、医師・助産師が優しく寄り添い、安心して出産を迎えていただけるようにサポートしています。また、長く不妊治療でお悩みのご夫婦には、「特別養子縁組」により新しいご家族をつくっていただくためのお手伝いをしています。当院は、民間の産婦人科医で構成する「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」に加盟し、‟赤ちゃんの幸せを第一”に考え、児童相談所、福祉事務所等との連携によるご家族への支援のほか、縁組ご家族による交流会も開催しています。
問い合わせ方法 … 電話・メール
毎日新聞社の協力を得て、新聞紙上に子どもの記事を掲載して、里親希望者を募る「あなたの愛の手を」運動を昭和39年から続けてきました。大阪事務所の活動を通じて、里親のもとに迎えられた子どもは1300人を超え、うち1100人以上の子どもが養子縁組をしています。団体としての独自あっせんも可能ですが、大阪府、大阪市、堺市の児童相談所と連携しての里親委託を中心として、活動をおこなっています。養親希望者への研修だけでなく、委託後の養親向けのアフターケアや研修、養親子の交流等にも力を入れています。
問い合わせ方法 … 電話・HPの問い合わせ欄・メール(ainote★kjd.biglobe.ne.jp)
問い合わせ方法 … HPの問い合わせ欄
SOSが来たら、、ストークサポートは迅速に、安心して出産できる環境を整えます。そしてもし「自分で育てることができない」。そんな時には待機している養親候補者に声を掛けます。養親候補として登録するには、3日間の研修や家庭訪問が必要です。お迎えが決まったら、育児のプロが一人、担当として審判確定までお世話します。卒業後は養親会で定期的な勉強会や交流会に参加していただけます。特別養子縁組は皆が幸せになる制度です。個別相談や、資料請求も受け付けていますので、どうぞ私たちの声に耳を傾けてください。
問い合わせ方法 … 電話・HPの問い合わせ欄(obsgyn★camel.plala.or.jp)
今日の少産時代の日本の現状と将来を案じるとともに、胎児の人権と生命を尊重し、無用な中絶をすすめることはいたしません。生まれてきた子どもには、養親によって暖かい家族・家庭の中で養育され、将来立派な社会人になるよう願いをこめて育ての親に託します。医療機関から養子縁組を希望していると連絡があれば、養親を紹介いたします。赤ちゃんが生まれたらすぐ養親は病院に行き、医師などから養育の指導を受けていただきます。個人のプライバシーは厳守いたします。
問い合わせ方法 … 電話
当院では診療のなかで、産んでも育てられない妊娠をし、やむを得ず出産をする女性と赤ちゃんの救済として、特別養子縁組のお世話をしています。ですので、出産をする方はすべて当院の患者さんです。養子縁組を決めるまでには診療をするなかで、しっかりケアをいたします。養親希望の方も患者さんとして来院していただき、コミュニケーションを重ねながらご夫婦の気持ちをそろえていただきます。院長がお一人お一人丁寧にお世話をさせていただきますため、お待ちいただく期間が長くなりますことをご承知おきください。
問い合わせ方法 … 電話・HPの問い合わせ欄・メール(engumi★tanaka-hospital.jp)
問い合わせ方法 … 電話・HPの問い合わせ欄・来院
福田病院は産婦人科医療機関として次の理念に基づき、新生児(赤ちゃん)の特別養子縁組を日本国内において実施しています。
①「赤ちゃんファースト」 子どもの最善の利益のために取り組みます。
②望まない妊娠に遭遇した生みの母に寄り添い、心と身体のケアを行います。
③赤ちゃんの委託は第三者委員会及び関係機関で審議します。
④縁組成立後も、お子さんとご家族の訪問、または生みの母とそのご家族からのご相談への支援を継続します。
なお、育ての親と赤ちゃんとの生活は、当院での4泊5日の育児トレーニングで始まります。
問い合わせ方法 … 電話
沖縄県は30年あまり出生率が全国一ですが、子どもの貧困率も同様に高く、生まれてくる全ての子どもが安定した環境の中で育っているとはいえないのが現実です。また10代女性の妊娠・出産も全国の2倍強であり、その背景に予期せぬ妊娠等があり、新しい命の誕生を思えばこそ産まざるを得ない女性がいることも一因であると思われます。そのような女性たちに早期に支援の手を差しのべ、貧困の再生産を防ぎ、どのような環境に生まれようとも、親子ともに安心して暮らせる社会の実現を目指して、2018年2月当法人を立ち上げました。