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SPECIAL TALK東北大学大学院医学系研究科総合感染症学分野教授 賀来満夫 x 女優 上戸彩感染対策のお話

2018年も猛威を振るったインフルエンザや、深刻な腹痛・吐き気をもよおすノロウイルスなどにより、毎年、たくさんの人々が感染症に苦しみます。職場や学校を通じて感染が拡がり、お年寄りや子供、体調が万全ではない方の場合、重大な影響を及ぼすことがあります。
毎年繰り返し直面する感染症をどう防いでいけばいいのか。
今回は【感染対策の重要性】をテーマに、女優の上戸彩さんと、感染対策の第一人者である東北大学の賀来満夫先生にお話を伺いました。

感染症ってなに?


上戸さん
感染症と聞くと、とても怖いイメージです!なんとなく風邪やインフルエンザなどが浮かびますが、そもそも感染症とはどのような病気なんですか?
賀来先生
感染症とは細菌やウイルスなどの病原微生物が体内に入りこみ、体の中で増えることで炎症や発熱・頭痛などを引き起こすことをいいます。上戸さんがおっしゃった風邪やインフルエンザもそうですし、ノロウイルスによる胃腸炎なども感染症です。
上戸さん
一言で感染症といっても、様々な種類があるのですね。インフルエンザは毎年大流行しているということを聞きます。家族や友達が苦しんでいる場面も見てきました。
賀来先生
そうですね。感染症で注意しなければならないのは、ひとからひとに拡がっていくということです。2009年に発生した新型インフルエンザの時のように、インフルエンザが全国的に拡大し、学級閉鎖などを引き起こすといったニュースが毎年のように報道されています。感染症は、ひとからひとへ、そして、さらに、地域や国を越えて拡大し、「感染症のグローバル化」として世界レベルの脅威となることが十分に有り得るのです。

感染症を気にしなければならない季節


上戸さん
1年を通して、気をつけるべきとは思いますが、特に気にしなければならないシーズンというのはありますか?
賀来先生
秋から冬にかけて気温が低下し、空気が乾燥してくると、ウイルスが原因となる感染症が増えてきます。さきほどインフルエンザが話題に出てきましたが、毎年12月~3月にかけて流行します。最近ニュースになることも多いノロウイルスによる感染性胃腸炎は毎年11月頃から患者さんが増加しますね。
上戸さん
小さいお子さんを持つお父さん・お母さんが気をつける感染症などもあるのでしょうか。
賀来先生
小さなお子さんはまだまだ免疫力や体力が未熟なので注意が必要です。小さなお子さんで多いのがRSウイルスに起因する発熱・鼻水・鼻づまりです。RSウイルス感染症によるこれらの症状は数日間にわたり続きます。2歳までにほぼ全てのお子さんが少なくとも1度は感染するとされています。
上戸さん
小さいお子さんを持つお父さん・お母さんは十分注意しなければいけないですね。
賀来先生
お子さんの症状に早めに気づくことが大切です。秋から冬にかけて流行する感染症は、手に付着したウイルスが口や鼻から、のどやおなかの中に入ることで発症します。症状が強いときは、早めに受診することをお勧めします。

感染の仕方について


上戸さん
小さなお子さんは好奇心旺盛でいろいろなものに触りたがります…。大人もそうですが、日々の生活の中でも手から口を通して感染するということを聞いて本当に悩みます。
賀来先生
菌やウイルスには、大きく3つの感染経路があります。いま上戸さんがお話をされた接触感染のほか、飛沫感染、空気感染です。接触感染は上戸さんがご心配されているように、ウイルスが付着している物を触れた手が、口や目に触れることで体内に入ります。
上戸さん
移動の時の電車やバス、家や職場などでも人から人へうつってしまうなんてことがやっぱりあるのですね。
賀来先生
そうですね、外出先での人混みなども避けるのが理想的です。せきやくしゃみにより、ウイルスが人の鼻やのどなどの粘膜に付着することでおきるのが飛沫感染で、空気中を漂っている菌やウイルスを吸ってしまうことで感染してしまうのが、空気感染です。

どのように対策していくか

上戸さん
人から人へうつるという話しを聞くと、個人だけではなく、多くの人がしっかり気をつけなければいけないことがわかります。自分の体調不良が周りにあたえてしまう影響を考えると、私も本当に真剣に考えなければならないと改めて感じました。感染症から身を守るためにはどのようにすればいいのでしょうか。
賀来先生
残念ながら、菌やウイルスは、目に見えないほど小さいため、確実に感染を防ぐ方法というのは、ありません。ただそのリスクを少なくするために有効なのが「うがい」「手洗い」「せきエチケット(マスク着用)」です。ご家庭や会社・学校で、常にこの3つ対策を組み合わせることにより、リスクを軽減するという意識が大切です。
上戸さん
うがい・手洗いは、家でも徹底しています。消毒液を使ったうがいを欠かしませんし、石鹸を使って手洗いもしています。
賀来先生
素晴らしい習慣ですね。ご家庭で使われる消毒薬にはいくつか種類があります。人の体に使用できる消毒薬でよく使われるのは、様々な菌やウイルスにも効果的なアルコールやポビドンヨードすね。なかでも、ポビドンヨードは病院でも手術などで使われていますし、家庭においても傷口の消毒からうがい・手洗いにいたるまで、幅広く使われています。
上戸さん
水でうがいするのではなく、殺菌できるうがい薬を使ってということは常に意識しています。
賀来先生
殺菌消毒作用を持つうがい薬や消毒液を使ってうがい・手洗いをすることで、手から口に菌やウイルスが入るリスクを軽減することが期待できます。うがいの効果については、例えば、ある学校でポビドンヨードを使用したうがい薬を推奨した場合とそうでなかった場合では、風邪・インフルエンザによる学校欠席率に有意差があったというデータもあります。
上戸さん
誰もが子どもの頃に一度は言われたことのある「うがい・手洗いをしなさい」っていうのがやっぱり大事だったんですね。
賀来先生
ポビドンヨードを使ったうがいは、口腔内のケア、つまり口の中の環境を整えるという効果が期待できます。この効果もインフルエンザに対する一つのリスク軽減になり得ます。口のケアがおろそかだと、抗ウイルス薬が効きにくくなり、インフルエンザウイルス感染を助長する可能性があるという研究結果もあります。
上戸さん
賀来先生のお話を聞いて、感染を100%防ぐのは難しくても、一つ一つの心がけでリスクを減らしていくっていうのは本当に重要だと思いました。
賀来先生
正しいうがい・手洗いは、自分自身や大事な家族を守るための重要な心がけということは言えると思います。せきが出るときはマスクをしましょう。せきやくしゃみが出たときに周囲の人への飛沫感染を防ぐことが出来ますし、自分が菌やウイルスを吸い込む機会も少なくなります。冒頭でパンデミックの話しをしましたが、感染症は、単に一個人の疾患にとどまらず、社会全体に伝播・拡大していく可能性があります。一人ひとりが感染予防の正しい知識を身につけ、実践していくことがとても大切です。
上戸さん
賀来先生、いろいろ教えていただきありがとうございました。
賀来先生
こちらこそありがとうございました。

うがいは
「くちゅくちゅ、ペッ。
ガラガラ、ペッ。ガラガラ、ペッ。」
を5秒ずつ。

  • ① ひと口目は、
    強めにくちゅくちゅうがいをし、はき出す。
  • ② ふた口目は、
    上を向いてガラガラうがいをし、はき出す。
  • ③ さん口目も、
    上を向いてガラガラうがいをし、はき出す。

プロフィール


  • 東北大学大学院
    医学系研究科総合感染症学分野教授
    賀来満夫

    大分県出身。1981年、長崎大学医学部卒業。自治医科大学講師、長崎大学病院講師、聖マリアンナ医科大学助教授、東北大学大学院感染制御・検査診断学分野教授を経て、2015年より現職。厚生労働省厚生科学審議会委員などを歴任。WHO専門家。日本環境感染学会理事長、日本マイコプラズマ学会副理事長。平成30年度科学技術分野文部科学大臣表彰科学技術賞受賞。
  • 女優上戸彩

    1985年9月14日生まれ。1997年「第7回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し芸能界デビュー。以後、女優としてドラマ、映画、CMなど多方面で第一線を走り続けている。