FACT CHECK PROJECT

VISITS Technologies株式会社

コロナ禍を機に全世界的に発生している、フェイクニュースやデマなどの「インフォデミック」の対策を民間主導で検討する『インフォデミック対策プロジェクト』。VISITS社は、独自に開発したCI技術(コンセンサス・インテリジェンス技術)を活用して情報の真偽度を数値化し、情報が事実かそうでないか誰にでも分かりやすく示すシステムの構築を目指している。

VISITS社はCI技術という独自の合意形成アルゴリズム(特許取得済)を開発。これを使って人々の創造性や目利き力、アイデア自体の価値を定量化する事に世界で初めて成功した。このCI技術を活用すれば、「創造性」「リーダーシップ力」などのソフトスキルといった本来価値があるはずにも関わらず定量化が難しかった「感覚的な資産」を数値化することができる。

この技術では、複数の参加者からアイデアを出してもらい、そのアイデアを相互評価することで、アイデアの価値と参加者の能力を数値化する。これまでは10人の参加者が多数決で一つのアイデアを選ぶ場合、そのアイデアが独創的であるほど価値が分かりにくく、多数決では9対1で否決されることもあった。だが、この技術を活用すれば、たった一人の「目利き」の賛成意見を重視し、アイデアを採用するという結論を得ることもできる。

インフォデミックにおいては、さまざまな情報が事実か事実でないかを判断するには、これまでは専門家がチェックするしかなかったが、それでは数え切れないほど大量にある情報をすべてチェックすることは不可能。そこで、同社ではCI技術を活用し、一般のインターネットユーザーが力を合わせて、ファクトチェックをすることを提案している。

具体的には、さまざまな情報に対して、一般市民が、それぞれ事実かそうでないかを評価し、どうしてそう思うのかという理由を説明するコメントも記載する。そしてそれらのコメントと評価について、各参加者が相互に評価しあう。ここでCI技術を利用して、各参加者のチェック能力を数値化し、採点結果を合わせて情報の真偽度合いを数値化するというもの。

同社ではすでに第1回目の実証実験を行っている。この実験では、東京大学、早稲田大学、慶応大学の学生と一般人、さらにウソの評価を行うスパイ計60人を15人ずつ四つのグループに分けて、それぞれ10件のニュースを割り振って評価してもらっている。学生と一般人には、そのニュースの真偽は教えず、各自に判断してもらう。一方でスパイには、事前にそのニュースが事実かどうかを教え、あえて逆のことを発言してもらう。

これらの相互評価から各参加者のチェック能力を数値化し、さらにそれを評価結果に加味して情報の真偽度を数値化する。スパイを入れることでチェック能力の数値の確からしさを検証することができる。

同社ではこの実証実験の結果を踏まえ、改善点を検討。さらに実証実験を積み重ねることで、真偽度の精度を高めていくことにしている。

将来は、一般のインターネットユーザーが自由に参加するシステムの構築を目指している。ある情報の発信に対して、一般人がその真偽の判断とコメントをこのシステムにアップする。それをさらに参加者たちが相互に評価し合い、CI技術でその情報の真偽度を数値化。正しい情報には「青」、間違っているものには「赤」、判断がつきかねるものには「黄色」といった色を付けるなど、誰にでも分かる方法で可視化して掲載する。

たとえば「トイレットペーパーが不足するだろう」といった情報は、最初は判断できない「黄色」となっても、ある程度時間がたって、その情報に根拠がないことが分かってくれば「赤」になる。「○○商店には今トイレットペーパーが無い」という情報は、実際に無ければ「青」であり、その後商品が入荷すれば「赤」になる。

中には一般人が評価しにくい、専門性の高い情報もある。その場合のみ、専門家にチェックしてもらうことにしている。

こうしたシステムが構築されると、システムにアクセスするだけで、ある情報の真偽度を知ることができる。これまでは、「トイレットペーパーが不足しそうだ」という情報を知ったとき、一般の人々にはそれがフェイクニュースであるかどうか判断できず、「大変だ、みんなに知らせなくては」という"善意"によって家族や友人らに知らせ、雪だるま式にデマ情報が拡散することが多かった。このシステムが実用化されると、そうした善意によるフェイクニュースの拡散を防ぐことができるようになりそうだ。

VISITS Technologies株式会社

「創造性を科学し、世界中の誰もが社会価値創造に貢献できるエコシステムを構築する」をミッションとし、合意形成アルゴリズム「コンセンサスインテリジェンス技術」を活用した様々なプロダクトの企画・開発・運営を実施。主なプロダクトは、創造力アセスメントツール「デザイン思考テスト」、事業アイデア創造・定量化を行う「ideagram」他。テクノロジーを用いたイノベーション創発設計、ワークショップ実施等、イノベーションの創発プロセスをワンストップで科学的にサポート。

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