FACT CHECK PROJECT

株式会社Spectee

Spectee(スペクティ、本社・東京都千代田区)は、2011年3月に起きた東日本大震災の際にボランティアとして現地入りし、災害時の正しい情報伝達の重要性を身をもって体験した村上建治郎・代表取締役CEOにより、防災・危機管理のための情報分析と配信に取り組む企業として、同年11月に設立された。

主要なサービスのひとつである「Spectee Pro」は、リアルタイムの防災・危機管理ソリューションで、SNS上に発信された情報からAIが信頼のおける情報を抽出し、ダッシュボードと呼ばれる画面に一覧表示し、いまそこに迫る「危機」を可視化することを可能にしている。災害や危機をいち早く察知・回避できる対応ツールとして、自治体を始め、公共交通機関やインフラ企業、報道機関など民間企業でも数多く採用されている。

Specteeでは、昨今、インフォデミックが喫緊の問題としてクローズアップされている背景に、以下の二つの事象が関係していると考えている。

ひとつは、情報伝達の仕方の変容である。情報伝達の仕方が、マスメディアから大勢の受け手に画一的な情報が一斉に発信される、かつての「マス型」に代わり、たとえばフェイスブックのグループのように、ある特定の仲間内で双方向に情報をやりとりする「クラスター型」が主流になった――というのである。

もうひとつは、SNSが日常的なツールになったことにより、「フィルターバブル現象」と「エコーチェンバー現象」がより強められるようになったことである。

前者は、インターネットの検索エンジンのアルゴリズムによって、ユーザーが好まない情報が遮断され、自分の関心のある情報しか届かなくなる現象で、後者は、エコーチェンバー=残響室との名前が示すように、閉ざされたコミュニティー内で、同様の意見がやりとりされる過程で、ある特定の信念が強化される現象を示す。

Specteeでは、以上、二つの事象が相まって、インフォデミックの問題がより顕在化するようになったとしている。

こうした現状に対して、Specteeは、スピードと手軽さ、透明性と信頼性の両方を担保した「誤情報真偽確認サービス」の提供を提案している。

デマが流布され時間がたつと、エコーチェンバー現象により、信念がより強固になり、打ち消すことが困難になる。そうなる前の段階で、素早く正しい情報を出すことが重要で、その入手の方法は手軽でなくてはならない。そのための手法として、ユーザーフレンドリーなインターフェイスであるチャットボットの活用を考えている。

また、透明性と信頼性を確保するために、すでにFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)により提供されているファクト・チェック・システムと、ファクト・チェック済の情報データベースを活用することを提案している。

大量の情報処理にすぐれ、確率を弾き出すことを得意とするAIだが、文脈を読んだり、事象の背景をも勘案して判断したりすることは得意ではない。そうしたAIの弱点を補完する目的で、Specteeでは、人の目による24時間チェック体制をとっており、それらを担当するスタッフが特別なプログラムを受けることで専門性を高める仕組みも用意している。

インフォデミックによって、民主主義社会の根幹が揺るがされる危険や、災害時に人命に関わる誤情報が流れるリスクがあると考えるSpecteeは、「最先端の情報解析技術で、世界のあらゆる『危機』から人々を守る」を企業ミッションとして掲げ、後者において、つまり防災・危機管理の面で、社会に貢献していくことを目指している。それらの実現に向け、今後オープンデータや、衛星や道路・河川に設置されたカメラなどから得られるデータを取り込んでいくことを計画している。

株式会社Spectee

先端のテクノロジーを活用して、防災や危機管理に関連した技術開発を行うベンチャー企業です。
なかでも、AI防災・危機管理ソリューション『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/service/spectee/) は、ビッグデータ解析を通して、災害関連情報、危険・緊急情報、企業のリスク情報などをいち早く正確に提供を行っており、400以上の企業や自治体等で活用されています。

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