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激動のドラッグストア「令和の陣」
業界再編の渦中 生き残りへ注目の“新兵器”

Solution Report スモールオフィス向け複合機 Satera MULTI FUNCTION PRINTER


 ドラッグストア業界は7兆円規模の売り上げを誇り、百貨店業界の約6兆円を上回る。その競争は年々激しさを増し、生き残りをかけた大手同士の再編も相次いでいる。
 2019年夏、ドラッグストア大手のココカラファインとマツモトキヨシホールディングス(HD)が経営統合に向けた協議を始めると発表。統合が実現すれば、売り上げが1兆円規模で業界首位に立つこともあり、経済界にとどまらず、広く社会の注目を集めた。


コンビニが「薬局化」、
スーパーもライバルに

※読売新聞(2019.08.15朝刊)に掲載された表をもとに作成

 実は19年6月以降、業界7位のココカラを巡って、5位のマツキヨと6位のスギHDが熾烈(しれつ)な争奪戦を繰り広げてきた。これまで、ドラッグストア業界は、中小企業が他社を吸収しながら規模拡大を図るケースが多かったが、今回はいずれも大手による再編劇。業界の合従連衡が新しい局面を迎えていることをうかがわせた。

 しかし、なぜ大手同士の再編なのか?一つは急速な市場規模拡大の勢いが一段落していること。業界団体によると、11年度以降、ドラッグストア1店舗当たりの売上高の伸び率は微増にとどまる。その一方で、売り上げ増を図って新規出店が増え、店舗数は過剰気味だ。訪日観光客の「爆買い」もピーク時よりは落ち着いており、「業界再編は必然的な動き」と見る関係者も多い。
 さらにコンビニの「薬局化」も進んでおり、ドラッグストアと競合するケースも出てきた。ファミリーマートは「薬ヒグチ」の運営会社とドラッグストア一体型店舗を展開。ローソンも「ケアローソン」という介護用品や高齢者向けの食品などを集めた店舗展開を行っている。また、医薬品以外の食品や日用品の売り上げも大きな割合を占めるドラッグストアにとって、既存のスーパーも手ごわいライバルとなっている。


店舗運営の効率化で業績伸ばす
「ダイコク」
スモールオフィス向け複合機の導入

 こうしたドラッグストア業界の生き残りをかけた競争が激しくなる中、消費者にじかに接する店舗での運営の効率化をどのように図っていくかが年々重要になってきている。
 その中で、ダイコクドラッグチェーンを展開するダイコクは、効率的な店舗運営に力を入れ、業績を伸ばしていることで知られる。18年も各店舗に小型のカラー複合機を導入し、労務管理や店頭に貼り出すPOP広告の印刷などを機動的に行い、人材の有効活用を図ることに成功したという。


接客の充実へ
 課題だった「現場の省力化」

株式会社 ダイコク
人事総務部 部長
嘉陽 健一郎 かよう けんいちろう

 関西を中心に全国で約190店を展開するダイコクでも、店舗運営の効率化は最重要課題だという。「徹底した薄利多売を強みにしているわが社にとって、店舗において経済的、時間的なコスト軽減を図ることは至上命題。そうすることで、お客様に接する店員をより手厚く配置することもできるのです」と同社で人事総務部長を務める嘉陽健一郎氏は説明する。

株式会社 ダイコク
システム室
宮地 航太 みやじ こうた

 その取り組みの一つが18年夏から全店で始めた小型のカラー複合機の導入。以前は、ファクス、インクジェットプリンター、スキャナー、そしてコピー機が別々に店に設置されていた。「そのため、スタッフは煩雑な操作に忙殺され、本社側でも各店に置かれている機器の管理を十分に行うことが難しかった。店で設置場所を確保するのも大変でした」と同社システム室の宮地航太氏は話す。

複合機導入で4機能が1台に
 操作は指一本

 その課題を一気に解決してくれたのが、キヤノンが販売しているカラーA4複合機だった。幅約45センチ、奥行き約46センチ、高さ約41センチの大きさで、レジ脇の小さなスペースに設置できる大きさながら、コピー、ファクス、プリント、スキャンをこの一台でこなす。
 さらに5インチのカラータッチパネルも装備され、複雑な作業も指一本で操作が可能。操作ボタンは仕事内容に合わせて独自に作成することができ、スマートフォンのアイコンを操作する感覚に近い。実際、宮地氏はキヤノンのサポート担当者に協力してもらい、店舗スタッフの働いた時間を記録するタイムカードをスキャンしてPDFファイルにしたものを本部に送るボタンを独自に作成して活用している。

ネット送信利用
 郵送料も通信費も大幅カット

 それまではタイムカードをスキャナーで読み取り、それをパソコンに保存。それから名称を書き換えて、電子ファイルを格納する本社のサーバーに送る必要があった。それが、導入した複合機ではボタン一つで行えるように。「近年、外国人のスタッフも増えているので、操作性が簡略になって大いに助かっています」と嘉陽氏は話す。
 また、以前はタイムカードの原本を照合用として、通常の郵便より割高な配達証明郵便で本社に送っていたが、その必要もなくなった。「郵送料だけでも大幅なコストダウンになりました」と宮地氏。「ファクスの送信もインターネット経由なので通信費がかからず、全体的に見て2~3割の経費削減になっているのではないでしょうか」と嘉陽氏と宮地氏は口をそろえる。

トナーは遠隔管理
 備品管理もスムーズに

 さらに各店の複合機はキヤノンのネットアイサーバーにネット経由でつながっており、トナーの残量が少なくなると自動で配送される仕組みになっている。しかも、サービスは無料。「それまでは、トナーの替えがないと、近隣の店までトナーを分けてもらうために走って行ったりしていましたが、この遠隔サービスが始まって、そうしたことが一切なくなりました」。ダイコクドラッグのウルトラ心斎橋店(大阪市)店員の見市雨桃(みいち・うと)氏はそう話す。
 宮地氏によると、トナー切れを避けるため、あらかじめ大量に発注し、店舗にトナーを山積みにして保管する必要もなくなった。「店舗スタッフは消耗品の補充を心配しなくて済み、本社の管理部門でも備品の管理をスムーズに行えるようになりました」

POP広告を瞬時に変更
 価格競争を勝ち抜く

ダイコクドラッグ
ウルトラ心斎橋店
見市 雨桃 みいち うと

 実際の使い勝手はどうなのだろう。ウルトラ心斎橋店店長の池上絢子氏は「他店との競争は激しく、ある商品をほかの店が値下げしているのを見かけたら、自分たちの店でも即座に対応しなくてはなりません。一種、時間の勝負。具体的には店頭のPOP広告の値段を書き換えなければならないのですが、複合機が導入されてから、一連の作業を素早く行うことができ、店としての機動力が増しました」と話す。
 同店は、大阪ではもちろん、日本でも有数の繁華街の中心部にあり、屋根付きの商店街沿いに数軒おきにドラッグストアが出店する激戦地。中国などからの外国人観光客も多い。「レーザープリンターなので印刷速度も速く、日常の業務で複合機によって助けられていると実感する機会が増えています」と見市氏は話す。

店舗効率化のメリットを
「お客に価格で還元」

 「今後は、複合機に備わっているインターネット経由のファクス機能などをもっと活用して、将来的には社内のペーパーレス化を推し進めたいと思っています」と宮地氏は話す。
 ドラッグストア業界の成長が一段落していると言われる中、嘉陽氏によると、ダイコクは対前年比で約2割の成長を達成。そのために「機動的な店舗運営を最優先し、今回の小型複合機の導入などで徹底したコスト削減を図っていく必要がありました。そうした効率化で得た果実を商品価格という形でお客様に還元することで支持されるドラッグストアになりたいと思っています」と嘉陽氏は強調した。

優れた製品とスタッフでサポート
 信頼のキヤノン

 ダイコクのケースは、大がかりなシステム構築を行わなくても、小型複合機の導入によって事業の効率化が十分に図れることを証明している。もっとも、複合機納入にとどまらず、取引先企業の課題解決のためのコンサルタント的な役割も担うキヤノンの営業姿勢も大きな魅力になっているようだ。「わが社の課題に真摯(しんし)に応えようとしてくれたことが、キヤノンの複合機導入を決断する際の一つのきっかけとなりました」と嘉陽氏も話す。
 キヤノンの優れた商品とそれをサポートするスタッフ――。それらが融合して企業の経営を支援する。そんな幸福な関係がダイコクの躍進から浮かび上がってきた。