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知ってた?これが本当のスイス人
大使館文化・広報部長がお教えします!

 ヨーロッパ中心部に位置し、アルプスに代表される雄大な自然と世界有数の豊かさで知られるスイス。人口約800万人の小国ですが、永世中立を守り、直接民主制を採用するなど、国際社会でも独自の存在感を示しています。そこで暮らす人たちの日常とはどのようなものなのでしょう?日本文化に興味を持ったことをきっかけに来日し、現在は在日スイス大使館で文化・広報部長を務めるジョナス・プルヴァさんに聞きました。

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3か月に1度は投票します

 スイスは州(カントン)と市町村に大きな自治権が与えられた連邦国家。現在20の州と6の準州があり、各州に独自の憲法や法律、そして裁判所などがあります。スイスには国の課題を可能な限り、末端の市民レベルで解決しようという姿勢が強く、それが直接民主主義に結びついています。
 トップダウンではなく、ボトムアップで物事を決めていこうという考え方が根本にあり、国民の合意を形成するために徹底的に議論できることがスイスの強みにもなっています。
 実際、年に4回、約15項目について国民投票が行われています。さらに議員を選ぶ投票などもありますから、3か月に1度は投票をしているという感覚です。最近は、「税と社会保障の一体改革」「食の安全性」についての国民投票が行われました。
 国民投票が行われると、テレビ、新聞、ラジオではたくさんの議論が繰り広げられ、ニュースでも大きく取り上げられます。ですので、スイス国民にとって、例えば家で、テレビを見ながら政治や国民投票について意見を交わすことはごく普通のことです。この意味で、直接民主制は生きた民主主義であり、継続的な全国規模の対話とも言えます。

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多言語国家、スイス

 スイスの国語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つですが、公的機関および団体で公式に使用される公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語の3つです。
 政府機関では、皆が自分の第1言語を話すことができるよう、その3つの言語が使用されます。一つの会話やメールのやり取りに3つの言語が登場することもあるんですよ。子どもたちは学校で、第1言語と英語に加えて、3つの公用語のうちのもう1つを第2言語として学びます。
 多言語の家庭は多く、例えば、私の父親はドイツ語とフランス語を話しますが、母親はフランス語と英語を話します。このような環境が一般的です。フリブールやバーゼルといった異なる言語の地域にまたがる都市には、バイリンガルの人(2つの公用語を話す人)はたくさんいます。
 さらに、スイスの人口の25%以上は外国人であり、これは使用言語の幅を広げる事実でもあります。街中では、たくさんの言葉が聞こえてきます!

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動物を飼うことの責任とは…

 スイスは、とてもペットフレンドリーな国です。犬を連れて百貨店で買い物をしたり、電車に乗ったりすることができます。
 その延長線上で、群れで暮らす習性のある動物をペットとして1匹で飼うことが禁じられています。2008年に施行された動物の権利に関する法律でそう決められました。金魚やモルモット、それにセキセイインコのような動物も1匹で飼えません。また、犬を初めて飼う時、飼い主は有料の講習を受けなければなりません。しつけや予防接種の種類などについて学びます。一種の免許制で、講習の修了証がないまま、犬を飼うと罰金が科されます。飼い始めたら、実技の訓練も受けなくてはなりません。
 犬を飼うと課税もされます。動物を飼うことに社会的な責任が伴うということを、スイス人は当たり前のことのように受け入れています。

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ミルクチョコはスイス生まれです

 1人当たりのチョコレートの年間消費量は日本では約2キロ。それに対して、スイスでは約9キロ。スイス人はチョコレートが好きです。
 「リンツ」「レダラッハ」「トイスチャー」……。日本でもこうしたスイスのチョコレートブランドを耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。
 元々、ココアとして飲まれていたものが19世紀半ばに固形化され、1875年にチョコレートに粉乳を混ぜたミルクチョコレートがスイスで発明されました。苦くて硬かったチョコレートが甘く、クリーミーで舌触りも滑らかになり、ヨーロッパで大ヒット。開発にはネスレ社の創業者もかかわっています。チョコレートの4大技術革命の一つとされ、現在のようにチョコレートが幅広い人に楽しまれるきっかけとなりました。
 近年はフェアトレードで購入したカカオを使ったチョコレートなども作られ、エシカルな消費の一翼も担うようになっています。

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鉄道網がビッシリ、世界一!

 スイスは鉄道大国でもあります。九州ほどの広さに約5300キロの鉄道網が張り巡らされ、路線密度は世界一。また、スイス国民1人当たりの鉄道の年間平均走行距離も約2400キロであり、世界で最も鉄道が利用されている国です。
 スイスは観光立国でもあり、魅力的な登山列車などが各地で運行されているのも特徴です。1000メートル進むと標高が480メートル高くなる、急こう配で運行されるピラトゥス鉄道など、ユニークな鉄道も多く、日本からもそうした鉄道に乗車することを目的にスイスを訪れる人も多いです。
 発着の時刻も正確ですし、車内も清潔で、日本から訪れた方にもきっと満足できる体験を提供できると思います。さらに駅舎をバリアフリーにするための改装も現在行われています。

ジョナス・プルヴァさん
(在日スイス大使館 文化・広報部長)

 1982年、スイス・ローザンヌ生まれ。2007年にローザンヌにある西スイス応用科学大学でクラシックピアノ及び音楽教育を学び、修士課程修了。ローザンヌのジャーナリズムスクールにて学んだ後、東京大学にて、国際関係論の修士課程を修了。スイスの新聞Le Tempsの日本特派員などを経て、17年7月から現職。

  • ・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて在日スイス大使館が展開する、イベント及びコミュニケーション・キャンペーン「スイスへのとびらーJapan 2020」
    https://www.doorstoswitzerland.com/
  • ・日本の中でスイスを発見!「スイス・グランドツアー in Japan」
    https://grandtourofswitzerland.jp/jp/

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